久留米大学 ニックネーム:Nosuke
久留米大学商学部のNosukeです。
久留米大学の近くにある「家庭料理さつき」を取材しました。
思い出の味がよみがえる!?
久留米大学(御井キャンパス)から歩いて5分ほどの道沿いに、少し古風な水車のある一軒家があります。
そこが今回の取材先「家庭料理さつき」です。
野瀬さつきさん(店主)と野瀬志保さんにインタビュー
Nosuke=N、野瀬さつきさん=さつき、野瀬志保さん=志保
N:ご出身はどちらですか?
さつき:久留米市北野町です。
N:飲食店を始めようと思ったきっかけは?
さつき:私は、高校生の頃まではおにぎりすらまともに作れなかったんですよ。(笑)
幼い頃のことですが、農繁期で両親が忙しい時に、私が一人でコロッケを作ろうとしたらしいんです。でも丸め方とかがわからなくて、ジャガイモをそのまま油に入れちゃったんだそうです。その時の経験から、料理には下味を付けたり、芋を潰すような手間が必要なんだと知って、それがきっかけで食べ物や料理に興味を持ったんじゃないかと思います。
N:幼い頃の経験からですかね。なぜお店の名前を「家庭料理さつき」と名付けたのでしょうか?
さつき:最初の10年間は、品出しの弁当屋をしていたんです。がめ煮(筑前煮)を毎日大量に作っていたので「がめ煮屋さつき」にしようかと思っていたんですよ。(笑)ただ、弁当屋から家庭料理屋に変えたのには理由があります。当時、弁当を配達していたときは、いつも急いでいたんです。
志保:どこの会社もお昼休みは12時から13時の間なので、その時間に間に合うように届けないといけなかったんです。
さつき:届け先では「お茶飲んでいきなよ」とか言ってもらえることもあったのですが、次の配達があるからいつも急いで届けるだけで終わっていました。だから、お客さんと話しながらゆっくり食事がしてもらえる場所を作りたいなと思って、このお店を始めました。
店内は落ち着いた和風の空間になっている
N:お客さんとゆっくりできる場所を作るために、このお店を始めたんですね。実際にお店を開いて「よかった」と感じる時はありますか?
さつき:やっぱりお客さんが「美味しかった〜!」って言ってくれる時ですね。弁当屋さんの時は感想が聞けなかったので、とても嬉しいです。
志保:弁当は届けて終わりだから、感想が聞けないじゃないですか。
N:確かにそうですね。
さつき:あとは、お客さんが料理の作り方を聞いてくれた時ですね。「自分たちのことを知りたがってもらえてる!」って嬉しくなります。
うちは企業秘密とかないのですぐに教えるんですけど、「これはあなたの家庭料理ではないんだよ」って一言声をかけています。
レシピだけを教えても、その家で使う塩や砂糖などの調味料は違うので「それが自分に合った味付けなんだよ」って。
志保:みんなレシピ通りに作ろうとするじゃないですか。でも、きっちり計る必要はないと思うんですよ。
N:なるほど。完全に再現しようとする必要はないってことですね。では、さつきさんが料理を作るときのこだわりってなんでしょうか?
さつき:素材の味を活かした味付けですね。素材の良さを損なわないような味付けにしたら食材たちも喜ぶってね。
志保:お塩だけでおかずを食べてもらうこともありますよ。
N:素材ごとに味付けを変えるとなると、調味料がたくさん必要になるのでは?
さつき:いいえ。だって家庭料理だから。出汁もいりこ、昆布、椎茸だけで大丈夫なんですよ。余計なものは必要ないんです。
志保:ちなみに、まかない料理で新しいメニューを思いつくときもあるんですよ。
N:そうなんですね。じっくり考えて新メニューを開発といった感じではないんですね。
N:今後はどのようなことをしていきたいと考えていますか?
さつき:今はまだ大丈夫ですが、だんだん体力が持たなくなってきているので、将来は混ぜご飯とダゴ汁とか本当にシンプルな田舎料理を振る舞うようにしていきたいと思っています。
店内には志保さんのご主人(藍染職人)の作品が展示されていました
いざ、実食!!
今回はお弁当をいただきました。
毎回メニューは違っていて、注文先に合った内容の弁当を考えるそうです。
ちなみに、今回は大工さん向けの弁当だったようで、ハンバーグやささみフライなどガッツリ系の内容でした。
では一口、
素材だっ!!!
美味しいのはもちろん、素材一つ一つの味が浮かび上がってきます。
ハンバーグも粗挽きで、フライもしっかり味がついていますが、お腹に重くない。
いくらでも食べたくなるような優しい味付けです。
お米もこだわっていて、無農薬農家さんと契約されているそうです。
中でも今回驚きだったのは、筑前煮の味の染み込み具合です。
これでもかっ!!というくらい出汁が染み込んでいるのですが、素材の味を消しているわけではない。
具材一つ一つが主役になりつつも、全体の調和が取れています。
僕は、食べている途中で親の手料理を思い出しました。
初めて食べるはずだけど、どこか懐かしい気持ちになる。
普段は家庭料理のコースのみで、こちらも毎回メニューが変わるそうです。
写真は前菜のみです。(笑)
まとめ
どこか懐かしい気持ちになる実家のようなお店「家庭料理さつき」を紹介しました。
店主のさつきさんは「手塩にかける」ことを意識しているようで、細かいところまで気を配る温かい人柄が店内にも料理にも溢れていました。
ちなみに、そんなさつきさんが一番好きな料理は、実はラーメンなんだとか。美味しい料理だけでなく、店主の人柄も知って欲しいです。
そして、僕自身も素材を引き立たせる「家庭料理さつき」のように、周りの人の魅力を引き立たせることができる人になりたいと思いました。
今回、新たな久留米の魅力を発見することができました。
引き続き、久留米の魅力を見つけ、発信していきます。
家庭料理さつき
住所:〒839-0851 久留米市御井町 1735
電話番号:0942-43-4727