聖マリア学院大学 ニックネーム:カイ、ピースウ
聖マリア学院大学3年のカイ(ラオス語でヒヨコ)とピースウ(ラオス語で蝶)です。
私たちは、聖マリア学院大学で国際看護コースを履修しています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年以降、海外研修が中止となってしまいました。
そこで、令和3年度は特定非営利活動法人ISAPH(アイサップ)の支援を受け、オンラインでラオスの医療や看護について学びました。
第1弾は、国際看護が専門の秦野環准教授(ムー先生:ムーはラオス語で豚)と一緒に、聖マリア学院大学のフィールドスタディについて紹介します。
聖マリア学院大学 国際看護コース
聖マリア学院大学は、「カトリックの愛の精神」に基づく教育や研究を行っています。
「豊かな人間性と深い教養をそなえ、高度な看護知識と技術に基づく科学的な看護実践能力を養い、広く人間社会の健康に寄与できる篤実有能な人材の育成」を教育理念に掲げています。
国際看護コースでは、日本だけでなく海外における健康問題について、その国の政治・経済・社会だけでなく文化や慣習がとても強く影響していることを踏まえて、人々の尊厳を守りながら看護するとはどういうことかを学びます。
特色のひとつとして、フィールドスタディがあり、訪問先は「フィリピン」、「韓国」、「ラオスとタイ」の3コースです。どのコースも現地の方にお世話になりながら、その国の人々の健康向上に参加・貢献する看護の姿と、人々の尊厳を尊重するとはどのようなことかを学びます。
ラオスってどんな国?
カイ:オンラインフィールドスタディでラオスを訪ねたので紹介します。
ピースウ:ムー先生、どうして今年はオンラインフィールドスタディを計画したのですか?
ムー先生:コロナ禍で、海外への渡航が全くできなくなったでしょう?国際看護コースにも関わらず、海外に触れることができないのは残念と思い、それならば「オンラインでやろう!」と思って計画したんです。聖マリア学院大学には、ラオスで活動する強い味方ISAPHがありますからね。ラオスって、とっても魅力的な国なんですよ。私、大好きなんです!
カイ:そうなんですね。私たちも今回はオンラインでしたが、お世話になった方々の優しさとか、街や村の雰囲気とかがとっても素敵でした。まずは、皆さんにラオスを紹介したいと思います。ムー先生が今まで訪ねた中で、これぞラオス!っていう写真はありますか?
ムー先生:ありますよ。まずは首都、ビエンチャン市内の凱旋門「パトゥーサイ」。内戦終結とラオスの勝利を記念して作られた象徴的な建物で、多くの観光客が訪ねる人気スポットです。
凱旋門パトゥーサイ
ラオスと久留米の共通点
ラオスは、東南アジアの小さな内陸国。
近隣のタイ、カンボジア、ベトナムと比べるとマイナーな国なので知らない方もいるかもしれませんが、私たちが住む久留米市と似ているところも多くあります。
ひとつは内陸国ということで、海を持たない久留米と同じです。久留米が筑後川の恩恵を受けているように、ラオスは大河メコンの恩恵を受けています。メコンがもたらす肥沃な土壌がありますが、大雨による洪水の危険をはらんでいるところも久留米と似ています。
あと、なんといっても「絣(かすり)」文化です。
久留米は、日本三大絣のひとつ「久留米絣」がとても有名です。
日本三大絣…久留米絣(くるめがすり、福岡県久留米市)、備後絣(びんごがすり、広島県福山市)、伊予絣(いよがすり、愛媛県松山市)
ラオスの人々も絣織を愛用しています。女性の正装は「シン」という絣織のスカートです。
街中のオフィスに勤務するような方は、高価な絹の絣織を身につけていることもあります。
一方、農村で働く多くの方はコットン(綿)の絣であったり、絣は高価で買えない人々は「サロン」という腰巻を身に着けています。
生地はとても高価で、一定の収入のある女性たちがシンなどの衣服にかける金額は、とても大きいと言われています。
村人が自分の絣を織っているところ
次に紹介するお祭りの写真でも、女性たちがシンを着用しているのがわかると思います。
ラオスの人々の暮らし
ムー先生:ラオスは仏教徒が多い国です。コロナ禍以前に訪ねた際は、仏教徒の大きなお祭りに参加させて頂きました。
村人は正装で、村で一番大きなお寺にお供え物を持って集まります。学生たちもシンを身につけて参加しました。
聖マリア学院大学の学生(左から2人目、4人目の青いTシャツ)とラオスの皆さん(コロナ禍前の訪問時に撮影)
ラオスの人々の食事
ムー先生:次の写真は、在家者(出家せずに、家庭で普通の生活を営みながら仏道に帰依する人)がお供えした食事です。私たちもおもてなしを受けました。美味しかったですよ。
ラオスの主食は「もち米」で、左の小さな竹籠の中に蒸したもち米が入っています。
ムー先生:この日のごちそうは川魚(そう、ラオスは内陸国)、タケノコの煮物、タケノコの炒め物、タケノコスープ、鶏肉と瓜の煮物などでたいそうなごちそうです。聖マリア学院大学の先輩たちも「おいしい!」を連発しながら、村人と一緒にいただいたんですよ。
カイ:私も食べてみたいです!
ピースウ:あ~、私も行って食べたかったです。来年度、新型コロナウイルス感染症が収束して、ラオスに行けるようだったら絶対行きたいです。
ムー先生:よし、皆で行きましょうね!
カイ・ピースウ:ムー先生、現地の情報を詳しく教えてくださり、ありがとうございました。
第2弾では、私たちがオンラインで行ったフィールドスタディの様子を報告します。