オンラインでラオス訪問 第2弾(魅力編)

聖マリア学院大学 ニックネーム:カイ、ピースウ

聖マリア学院大学で国際看護コースを履修しているカイ(ラオス語でヒヨコ)とピースウ(ラオス語で蝶)です。
第2弾は、「ラオスの魅力」ムー先生(ムー:ラオス語で豚)と一緒に紹介します。

オンラインフィールドスタディ

ピースウ:ムー先生は、「ラオス、良いよ~」ってみんなを誘ったじゃないですか?先生にとってラオスの魅力って何ですか?

ムー先生:私は、ラオスの魅力は人々の豊かさだと思います。開発途上国なので経済的に困窮している方が多いと思うんですね。でも、人間の豊かさって、経済的・物質的なことだけではないし、ラオスを訪ねるとわかると思いますが、本当に豊かな人が多いと感じています。あなた方は、参加してどう感じた?

カイ:ラオスの人々の生活がわかるようにと家の中を見せてくださり、コロナ禍でどのように工夫して生活しているのか丁寧に教えてくださいました。私たちがオンラインで理解しやすいように、工夫をして説明してくださっていたように感じました。

オンラインフィールドスタディ
ISAPH(アイサップ、特定非営利活動法人)のスタッフとオンラインでディスカッションをしている様子

開発途上国の健康問題

ピースウ:「開発途上国って、もっと貧しいというか、例えば、栄養問題は「食べるものがないこと」だと思っていたのですが、だけではなくが問題だったりします。また、医療を受けられないのは「そこに医療がない」だけではありません。母親に子供の病院受診を助言しても「まず、義母や夫に相談しなきゃ」と考えます。現地の慣習や社会背景が大きく影響しており、日本とは異なる事情や価値観が存在していることに気づきました。

ムー先生:そうですね。国際看護論で学んだ、「ユニバーサルヘルスカバレッジを達成するためには、3つのアクセスを改善する必要がある」ということを思い出しましたね。

カイ:自分の子どもの調子が悪いのに、病院に連れていくために義母や夫に相談しないといけないなんて、3つのアクセスの「社会慣習的アクセス」そのものですね。私だったら、心配になって病院にすっ飛んでいきそうだけど。

ピースウ:私もそう思うけど、このお母さんは、もしかしたらお金を持っていなかったのかもしれないよ。ISAPHは村まで訪問してくれるけど、病院に行くとなったら交通費がいるでしょう?3つのアクセスのうちの、「経済的アクセス」「社会慣習的アクセス」の両方がなかったのかもしれないね。

ムー先生:そうですね。ピースウさんは「交通費」のことが気になったように、近くに医療施設がないかもしれません。開発途上国、特に農村部で生活する人々にとっては、「ユニバーサルヘルスカバレッジ-すべての人に健康を」と言われても、ハードルがとても高いことが、このお母さんと子どもの例からでもよくわかると思います。

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引用:JICA,国際協力機構ホームページ世界が目指すユニバーサルヘルスカバレッジを改善するためには、「3つのアクセスの改善」が重要)

NPO法人ISAPHは、この他にもマラウイで「子どもにやさしい地球保健プロジェクト 草の根技術協力(JICA 草の根パートーナー型)」にも長年取り組んでおり、2015年の外務省ODA白書にも活動の実際が紹介されているんですよ(ISAPHホームページより)。
久留米市にある聖マリア病院が立ち上げたNPO法人の活動が、世界に広がっていることは本当にすばらしいことですね。

カイとピースウ:現地の母子保健支援に聖マリア病院国際事業部の医療者が携さわっていることを知り、とても誇らしく思います。

ラオスの一般的な生活状況

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オンラインでのフィールドスタディの様子

カイ:日本で生活していると、いろんなものがあって「当たり前」。病気になったら病院に行くのが「当たり前」ですよね。健康保険もあるし、いろんな情報もインターネットで簡単に検索できる。食べ物だって、お水だって、手に入れるのに苦労なんてしたこともない。でも、ラオスの田舎には、本当にいろんなものがなかったですね。

ピースウ:でもさ、だからかな、とっても工夫して生活していましたね。コロナ禍で収入が減った方は、養鶏して現金収入を得ていたり、家庭菜園で野菜を作ったり。

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ISAPHの母子保健事業活動

ムー先生:自分たちが持っているもので生活を改善していく「工夫」が上手でした。彼ら、彼女らが持つ知恵や知識をうまく活用するためにも、3つのアクセスの改善は重要ですよね。

カイ:人々の知恵とか知識ってことから、ラオスでは昆虫を食用にしていることを思い出しました。ラオスの食文化である「昆虫食」も人々の知恵ですかね?

ムー先生:そうかもしれないですね。農村部を訪ねると、正直、本当に何もないというか、田んぼに田螺(たにし)とかカエルがいる。あぜ道にはタケノコが生えている。それくらいなので、野生で捕れる昆虫は必然的に食料のひとつに加えられたんでしょうね。

ピースウ:ラオスの昆虫食について聞くまでは、「虫は食べるもの」とは思っていなかったのですが、案外、おいしそうでしたよ。

ムー先生:私は虫が全くダメなので、フィールドスタディに参加された皆さんが「おいしそうだった」とか、「食べてみたかった」って言ってくれた時には、驚きと嬉しさでいっぱいでした。昆虫食は、SDGsの「飢餓をなくす」にも貢献できそうですよね。

カイ、ピースウ:私たちも医療従事者として現地の人々の力になれるように頑張っていきたいです!ムー先生、ありがとうございました。

第3弾では、オンラインフィールドスタディで学修した昆虫食について詳しく紹介します。

(C)久留米シティプロモーション

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